第32回日本嗜癖行動学会岐阜大会

ご挨拶

第32回日本嗜癖行動学会 岐阜大会
大会長 天野雄平(医療法人杏野会 各務原病院 理事)

このたび、第32回日本嗜癖行動学会 岐阜大会を令和4年10月15、16日の両日にわたり開催させていただくことになりました。前回の熊本大会に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み、web開催の方針で進めておりますが、これはマイナス面ばかりではないと前向きに捉えております。もちろん、夕暮れの長良川慕情や、季節の終わりを告げる落ち鮎、松茸をはじめとする天然きのこ、富有柿など、秋ならではの岐阜の風物を現地で体験していただけないのは残念ですが、一方でweb開催だからこそ参加できる方も多いでしょうし、オンデマンド配信も予定していますので、当日に予定がある方も余裕のある時にゆっくり視聴していただくことができます。

このように昨今のIT革命は、地理的制約、時間的制約を飛び越え、従前に比べ、情報の地域差を縮めることに貢献し、我々の学びにも大きな恩恵をもたらしていますが、一方で情報端末を介して常に世界と繋がっている現況は、若年層を中心としたゲーム・ネット依存の蔓延はもちろん、時間と場所を問わず参加できることから、ギャンブル依存の増加にもつながっており、違法薬物に関しても一般人の入手が容易となるとともに、巷間にあふれる情報から忌避感が低下していることが危惧されるなど負の側面も有します。また、依存の代名詞であるアルコールに関してもコロナ禍を一因として、宅飲みでの消費が増加し、もともと飲酒量の多い人ほど、更に酒量が増える傾向にあることが報告されており、「嗜癖行動」は今こそ大いに語られ、社会が注力すべき事象であることは論をまちません。

こうした非常に現代的な課題であるにも関わらず、本学会が31回という歴史を重ねていることは、正に先見の明と誇るべきことで、先達が積みあげてきた山に、32回目として岐阜の地で新たな知見を付け加え、次代に引き継げることは我々にとって大きな喜びです。

そして、岐阜大会のテーマは、“「ハマる」を科学する。溺れるこころの道しるべとして”と致しました。このテーマには日頃、依存症臨床に従事し、時に無力感にさいなまれる中で、「ハマる」という誰にでも起こりうり、正負両面の要素を持つ現象について様々な視点から探求し、今現在困っている人たちの一筋の光明となり得たらという我々の思いが込められています。拙文を読まれ、同様の気持ちを抱かれた方々の一助となれるよう担当者全員で実り多い大会に向け鋭意邁進したいと思います。最後になりますが、皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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